体に入る空気すらも冷たくなってきた。 この時期は眼前に広がる世界の彩度が低く、心を動かすような一瞬に出会うことは少ないと感じる。澄み渡る濃い蒼の空が広がるわけでもなく、海の上で燃える夕空のような輝きもない。ただただ冷たい光に照らされる色のな…

虚しさを覚えた休日の話

南を過ぎた陽が照らす街並みを通り過ぎながら、どことなく寂しさを感じた。 気づけば車を運転するようになり、それなりに乗っているせいか周りの景色を見る余裕すらも出るくらいの年齢になってきた。一生止まることのない時間というものは不意に現実をつきつ…